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サイトメガロウイルス網膜炎

HIV患者の合併症で重要な疾患であるCMV網膜炎。網膜炎は眼底後極に黄白色の滲出斑,網膜出血,血管炎などが生じて,周囲に拡大していく。治療にはガンシクロビルなどの抗ウイルス薬の全身投与や硝子体内注入などを行う。
眼科より硝子体内注入について相談があった。
ガンシクロビル硝子体内注入については、1996年ぐらいから報告がある。しかし、調製の方法が何にしても不親切である。
Campbell RJ, Chow B, Victor G, Kravcik S, Hodge WG,
Can J Infect Dis. 2001 Sep;12(5):300-4.
Treatment of CMV retinitis with intravitral ganciclovir in the HAART era.
では、2mg/0.05mL balanced salineと記載されている。

元文献をたどると
Hodge WG, Lalonde RG, Sampalis J, Deschênes J,
J Infect Dis. 1996 Aug;174(2):393-6.
Once-weekly intraocular injections of ganciclovir for maintenance therapy of cytomegalovirus retinitis: clinical and ocular outcome.

しかし、ガンシクロビルの添付文書では
”1バイアル(ガンシクロビル500mgを含有)を注射用水10mLに溶解し、投与量に相当する量を1バイアル当たり通常100mLの補液で希釈する。なお、希釈後の補液のガンシクロビル濃度は10mg/mLを超えないこと”となっている
しかも、1バイアルを10mL注射用水で溶解した溶液は、”強アルカリ性(pH 約11)を呈することから、点滴静注部位の血管痛を訴えたり、静脈炎があらわれることがあるので、薬液が速やかに希釈分散するよう十分な血液のある静脈にのみ慎重に投与すること”となっている。
さて、2mg/0.05mL →40mg/mLとかなりの高濃度。

直接、生理食塩液で溶解したとしても、液性は強アルカリであることにはかわりないと思われる。
硝子体内に投与できる薬物の限度がどの程度かは不明であるが、注入の際に漏らしたりすれば周囲の組織が傷害される可能性がある。
ひとまず、当院では、患者への十分な説明とIRBにかけることを条件に投与を認めることにした。



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Category : 未分類 |

Candidemia

4月の頭は、年度集計に追われる毎日です。抗菌薬の使用量や血培、カテ先の集計など・・・・・
定期的には集計しているのですが、ゆっくり見直すといるいろ見えてくるものもあります。2006年度から血液培養から分離されたCandidaの菌種を見ると、C. albicans 44%、C. glabrata 27%、C. parapsilosis 27%と思った以上に、non-albicansが多いことがわかりました。国内でのサーベイランス結果(日本微生物学会)でもC. albicansは40%程度と報告されていますので、大規模なサーベイランスは有用な情報であることは間違いまりません。しかし、残念なことに、本院ではCandidaの薬剤感受性試験は行っていないので、FLCZの耐性率などは不明です。
もう少し詳細に見ていくと、血液培養からCandidaが検出された患者のin-hospital Mortalityは全体で38%と高値です。菌種別で見ると、C. albicans 52%、C. glabrata 29%、C. parapsilosis 21%と圧倒的にC. albicansによる死亡率が高いのが気になります。C. glabrataの予後が悪いという文献は見た記憶があったのですが・・・・・・
やはりempiricにはミカファンギンが第一選択となるのか・・・・??
背景因子など詳細な調査は必要ですが、現状としてフィードバックするつもりです。これがきっかけになってカンジダの薬剤感受性試験の必要性などが議論できるようにと考えています。
全国的にはカンジダの薬剤感受性試験はどの程度行われているのでしょうか?お金のかかることには時間がかかりますが、データを蓄積しておくことも重要だと思います。
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Category : 真菌 |

VCMのTDM

VCMのTDMについて下記↓の論文(ASHP,IDSA,AIDP consensus review)がpublishされています。
Rybak M, Lomaestro B, Rotschafer JC, Moellering R Jr, Craig W, Billeter M, Dalovisio JR, Levine DP. 
Therapeutic monitoring of vancomycin in adult patients: a consensus review of the American Society of Health-System Pharmacists, the Infectious Diseases Society of America, and the Society of Infectious Diseases Pharmacists.
Am J Health Syst Pharm. 2009;66:82-98.
http://www.idsociety.org/content.aspx?id=4428#van
recommendationを読むと・・・・(抜粋)
○VCMのモニタリングはトラフ濃度が最適(ⅡB)
○最適なトラフ濃度は、耐性菌の出現を避けるため、常に10μg/mL以上に保つ。MICが1μg/mLの菌に対してはAUC/MIC>400を満たすために、少なくとも15μg/mL必要(ⅢB)
○S. aureusによる心内膜炎、骨髄炎、髄膜炎、医療関連肺炎ではトラフ値は15-20μg/mLが推奨される(ⅢB)
○重症感染症の場合、早期に最適濃度に到達させるために25-30mg/kg(実質体重)のloading doseを行う(ⅢB)
○持続点滴投与は、従来の間欠投与方法と比較して予後の改善するという証拠はない(ⅡA)
○VCMによる腎機能障害の指標→VCMを数日間投与した後、少なくとも2-3回Scrの0.5mg/dLの増加 or ベースラインからScrが50%の増加が見られる(ⅡB)
○腎機能障害のモニターにピーク濃度を使用することをサポートするデータはない(ⅡB)
○3~5日以上VCM治療を受けている患者では、少なくとも1回は定常状態でのトラフ値の測定を行う(ⅡB)
○トラフ値を15-20μg/mLすることに対する安全性のデータは限られている。(ⅢB)

といったところです。目新しいところは、トラフ濃度(10μg/mL)と耐性の関係です。また、PK/PDパラメータに関しては、AUC/MIC>400となっていますが、薬学的な立場から見ると引用されている論文はほとんどがベイズ推定を用いてパラメータを算出されており、正確にはAUC/MICと効果が相関することは、まだまだ証明されていないと言えます。実際、正確なAUCを臨床現場で求めることは不可能
(患者1人につき最低でも4-5ポイントの採血が必要)ですので、今後も慎重に見ていく必要がありそうです。

PK/PDパラメータを指標としたバンコマイシンの薬物血中濃度モニタリング. 日本病院薬剤師会雑誌, 42(12), 1597-1600, 2006.12

この論文でもトラフ濃度の設定について書いていますが・・・・・

目標トラフ値15-20μg/mLを目指すと、下記の論文が示すようにVCMのdoseが4g/day以上となることは腎機能に問題のない比較的若い患者さんでは時にあります。
Lodise TP, Lomaestro B, Graves J, Drusano GL.
Larger vancomycin doses (at least four grams per day) are associated with an increased incidence of nephrotoxicity.
Antimicrob Agents Chemother. 2008;52:1330-6.

4g/day以上の投与が腎機能に影響することが示されているため、本院では3g/dayを一応、maxとして対応しています。
今のところピーク値の測定については2005年の心内膜炎のガイドラインに記載されていますが、今後はどうなっていくのでしょうか?
あと個人的な感想ですが、MIC>2μg/mLのS. aureusに対しての効果はどうなのでしょうか?過去にE-testでMIC測定を行っていたこともありますが確かに2μg/mLのMRSA株はありました。Microscanの自動測定器ではすべて<2μg/mLです。ルーチンに2未満のMIC測定をおこなっている施設もあるということですが、感受性試験は、この1管差が正確に検出できる検査なのか?少し疑問が残ります。
これもデータを積み重ねていくしか仕方がないのですが。
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Category : PK/PD |

抗菌薬適正使用

国立大学病院の感染対策協議会というところで、ガイドライン作成委員をやっています。
これまでは、薬剤師がこのガイドライン作成に関わることも少なかったのですが、組織の大きな見直しによって昨年から参加することになりました。我々に与えられたテーマが「抗菌薬適正使用」という内容で、5人の薬剤師で分担して作成することになりました。
抗菌薬適正使用とは・・・・と考えると日々、口にはしているものの非常に難しいことがわかりました。ましてや、ガイドライン作成のためエビデンスを探す(論文評価)となると厳しいですね。
Antimicrobial stewardship programs in health care systems.Clin Microbiol Rev. 2005 ;18:638-56
Empirical Antibiotic Choice for the Seriously Ill Patient: Are Minimization of Selection of Resistant Organisms and Maximization of Individual Outcome Mutually Exclusive?. Clin Infect Dis .2003;36:1006–1012
から引用すると、抗菌薬適正使用の目的はは、1)患者の予後を改善、2)副作用のリスクを最小限にする、3)耐性菌の出現を抑える、4)コストの削減となっています。
当然、第一は患者予後の改善にあるのですが、耐性菌による感染症は治療薬の選択を困難にするなど、結果的に患者予後に大きな影響を与える因子となります。コストについては確かに大切なのですが、日本の現状では重視する項目にはならない(適正使用は単なるコスト削減ではない)と個人的には考えています。重要なのは過剰な使用にあります。各国の報告を見ると、ウイルス疾患をはじめ、抗菌薬の適応とならない使用が50%以上を占めているとのことです。あの、抗菌薬使用量が少ないといわれるオランダでも30-40%にのぼるとのことです。
一方、日本でも届け出制など使用制限が話題になっており、学会でもその系統の発表が多く見られます。アメリカのIDSA/SHEAのantimicrobial stewardship Guidelineでも、医薬品集による使用制限、許可制、ガイドラインの作成、教育などを柱とした取り組みが推奨されていますが、日本との大きな違いは、専門医による治療介入があることだと思います。これらの効果については2005年のCochranシステマティックレビューで検証されており、不適切な抗菌薬の使用量の削減、コスト削減に効果があることが示されています。ただ、耐性菌の抑制効果や、患者予後への影響などはさらなる検討が必要とされています。
Interventions to improve antibiotic prescribing practices for hospital inpatients. Cochrane Database Syst Rev. 2005 . 19;(4):CD003543.

その後、読んだ以下のレビューでも・・・・
Antimicrobial stewardship programs: interventions and associated outcomes.Expert Rev Anti Infect Ther. 2008 Apr;6(2):209-22. Review.
患者予後に対する効果を見ている論文はほとんどないと書かれています。
Clostridium difficile関連疾患の抑制には効果がありそうです。

そう考えると、我々も知らないうちに過大解釈していることに気づかされます。アメリカでの取り組みもつまみ食いすると大変なことになる可能性があるということでしょうか?
やはり、取り組みや活動、介入に対して検証が必要ということですね。広い意味でのサーベイランスの重要性を感じます。
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Category : 抗菌薬適正使用 |

PK/PD理論

最近、どこの研究会や学会に参加しても話題になるPK/PDですが、製薬会社のセールス文句に利用されているのが少し気になります。確かに、日本の添付文書に記載してある投与量が少なく、投与法法も不十分であるということを表現することや、より理論的に抗菌薬を投与しようという考え方自身は良いと思うのですが・・・・・
2008年10月に発売されたPIPC/TAZ(ゾシン)は、海外と同等の投与量が使用できるというメリットがあり、製薬メーカーもその点とPK/PD理論を駆使して説明されます。しかし・・・・・up to dateには以下のような記載があります。

DOSING: ADULTS
Severe infections: I.V.: 3.375 g every 6 hours for 7-10 days;Note: Some clinicians use 4.5 g every 8 hours for empiric coverage since the %time>MIC is similar between the regimens for most pathogens; however, this regimen is NOT recommended for nosocomial pneumonia or Pseudomonas coverage.

さらにIDSAガイドライン
"2002 Guidelines for the Use of Antimicrobial Agents in Neutropenic Patients with Cancer"Clinical Infectious Diseases 2002; 34:730–751
http://www.journals.uchicago.edu/doi/pdf/10.1086/339215

では、febrile neutoropeniaのempiric therapyには、PIPC/TAZ+アミノグリコシドになっています。あくまで単剤での使用は推奨されていません。これは、臨床データが不十分であるという理由なのですが、FNの際にPIPC/TAZ単剤で治療して良いのか?緑膿菌を十分にカバーできるのか?・・・・・この点には製薬メーカーのプレゼンは一切触れません。各施設のantibiogramが重要なのは言うまでもありませんが、PK/PD理論に踊らされている医療従事者も多い気もします。

Impact of antibiotic resistance in gram-negative bacilli on empirical and definitive antibiotic therapy.Clin Infect Dis. 2008 Sep 15;47 Suppl 1:S14-20. Review.
には、抗菌薬選択の際に、過去の暴露歴が重要と書かれています。特にPIPC/TAZについては2週間以内の投与歴がある場合には、避けるようにとなっています。

しかし有望な薬であることは間違いないので、客観的なデータと情報を送ることが重要だと思いますが、上記のことを話すと使用量が変化します。
何にしても過信と過大解釈には要注意です。


抗菌剤感受性試験結果の解釈と投与方法の問題点,医療薬学:31巻11号 Page900-905,2005
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